本ページをお読みになる前に、ノートのトップページ のご留意事項をご確認ください。
●参考文献:登録なし ●関連文書:登録なし
下記はクスリ早見帖副読本 医師が教える市販薬の選び方(PHP研究所)から。一部改変。
かぜ薬と呼ばれるクスリはたくさんあります。外箱には総合感冒薬とか、感冒薬、風邪薬などと書かれて、字面だけで判断するとかぜを治すクスリのようですが、そうではありません。実際は、かぜのときによくみられる、発熱やのどの痛み、鼻の症状、咳や痰の程度を軽くする対症療法のクスリのことで、さまざまな化学物質薬や生薬を混ぜて作られています。かぜを治すのではなく、かぜの諸症状を和らげることが目的です。
かぜのひきはじめは、発熱やのどの痛み、鼻の症状、咳や痰の症状がすべてそろっていないことも多く、そんなときにかぜ薬を飲むということは、クスリを飲む程ではない軽い症状や、存在しない症状のための成分も、飲んでしまうことになります。かぜ薬には多くの成分が入っている分、多くの症状への効能が期待できますが、不要な成分を飲んでしまう場合もありえますので、余計な危険性を負うことにもなります。
一方、かぜのときに、かぜ薬を使わない対症療法の方法もあります。症状別の市販薬をその時点の症状と程度に応じて調整する方法(ここでは症状別対処法と呼びます)です。症状別対処法では、痛みや熱を和らげる解熱鎮痛薬、鼻水・鼻づまりに効く鼻炎薬(鼻炎用内服薬、鼻炎用点鼻薬)、咳や痰を抑える鎮咳去痰薬の単剤の製品を別々に用意し、つらい症状に合わせて服用します。不要なクスリを使わないようにできますし、どの市販薬が、どの症状に、どのくらいの効果が出るのか、ご自身で確かめることもしやすくなります。
何度も繰り返し経験するかぜなどでは、経験による学びも積み重なっていきます。成分についても知識がついてきます。多くの成分が入っているかぜ薬を飲むよりも、症状別対処法の方が好ましいのではないかと個人的には考えています。ドラッグストアでは医薬品登録販売者や薬剤師など、市販薬に詳しい方に相談できますので、市販薬を購入する際はご一考ください。