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下記はクスリ早見帖副読本 医師が教える市販薬の選び方(PHP研究所)から。一部改変。
年に何回かは、かぜをひくものです。海外の研究ですが、平均すると、子供であれば年10回くらい、大人であれば年2~3回はかぜの症状を経験するという報告もあります。原因には、ライノウイルスやコロナウイルスなど、多くの種類のウイルスが知られています。かぜの症状は次のように進行していきます。
【1日目】前日はまったく症状はなかった。朝起きると、のどが痛む。体全体がだるく感じる。体温計を脇にはさむと36度台。熱っぽい感じはあるけれど、体温測定では平熱。かぜをひいたかも、かぜならひどくならないで、と思いながら仕事に出かけた。会社では、昼食前ごろから、熱っぽさがひどくなり、体の節々の痛みや頭痛も加わり、徐々に悪化してきていることを実感。午後5時になり、すぐに帰宅し、体温をチェック。体温は37.5度。やっぱり熱が出てきたとがっかり。
【2日目】朝起きると、のどの痛みや節々の痛み、頭痛、だるさもあり、とてもつらい。朝の体温は38.5度で、鼻水も少し出るようになり、鼻づまりもある。咳は出ないが、のどの痛みが少し下の方に移ってきていて、これから咳が出そうな感じ。やれやれ、かぜをひいたのは間違いなさそう。本格的にひどくなるかな。会社は休むことにした。
【3日目】発熱は38度以上が続いているが、高い体温に慣れてきたのか、全身のだるさや頭痛は軽くなってきている。食欲はないが、吐き気はないので、食事は普段と同じくらいとれている。のどの痛みはおさまったようだが、昨日の予感があたり、咳が出始めた。
【4日目】体温は37度台になり、だるさも順調に軽くなってきた。しかし、咳が徐々に増え、痰も伴うようになってきた。痰は白っぽく、徐々に粘っこくなり、午後には痰が出るまでに何度も咳を繰り返し、ひどく体力をうばわれる感じで、とてもつらい。
【5日目】ようやく体温は下がってきて、午後には36度台。全身のだるさもすっかりなくなった。よくなってきつつあるなと実感。のどの渇きがあり、水分を多めにとっており、おしっこも普段と同じくらい出ている。痰の色は白色から黄色に変わってきている。その後、さらに3~4日咳と痰は続いたが、鼻の症状はほとんどなくなった。咳と痰も日ごとに軽くなることを実感し、痰は朝にコロッとした黄色いのが数回出たら、その後はほとんど出ない状況に。1週間ちょっとくらいでほぼ症状なしの状態になった。
人生何度目のかぜであっただろう。今回もまたかぜを克服した。 このケースは、自分とは違うと感じる方もいることでしょう。1日目に鼻水やだるさからはじまるのが普通という方もいれば、咳はもっと短期間だ、という方もいるかもしれません。ただ言えるのは、かぜにかかると、およそ1週間の期間、発熱と痛み(のどや頭、関節、筋肉)、鼻の症状、咳・痰の症状に悩まされる、ということです。症状の出るタイミングや程度、期間などには個人差もありますし、かぜの原因となるウイルスのタイプにも影響されるため、実に多様です。