アセトアミノフェン

本ページをお読みになる前に、ノートのトップページ のご留意事項をご確認ください。

 

●参考文献:登録なし   ●関連文書:登録なし

 

下記はクスリ早見帖副読本 医師が教える市販薬の選び方(PHP研究所)から。一部改変。

 

 アセトアミノフェンは世界中でよく使われている解熱鎮痛薬です。単剤の市販薬も販売されています。解熱鎮痛薬といえば胃が荒れるというイメージを持っている方も多いのではないかと思いますが、アセトアミノフェンはそんなことはありません。胃にやさしいタイプの解熱鎮痛薬です。

 他の解熱鎮痛薬を飲んで胃が荒れてしまい、吐き気や嘔吐が出て、食事や水分が取れなくなり、脱水症の危険にさらされる方もいますが、アセトアミノフェンであれば胃にやさしいため、より安全に対症療法として利用できるというわけです。

 他の解熱鎮痛薬に比べ、利用できる状況は多く、小児や高齢者にも使われています。胃にやさしく、じんましんや喘息など他の副作用の頻度も比較的少ないため、熱冷ましや痛み止めを必要とする場面では、第一選択薬として処方している医師も多いです。さらには抗血小板作用(エヌセイドの項参照)がないことも、メリットとして大きいです。

 アセトアミノフェンを使う場合も注意してほしいことはあります。アセトアミノフェンを使うときは飲酒を避けましょう。肝臓に悪い影響を与えることがよく知られています。体調の悪いときに、飲酒をしないようにすることは基本的なことですが、用法・用量を守ることと、飲酒をひかえる必要があることを知っておいてください。

 なお、日本の市販薬ではアセトアミノフェンの1回量は少なめです。成人向けの市販薬ではアセトアミノフェンの1回量は300ミリグラムくらいですが、病院・診療所では1回量400ミリグラム~ 600ミリグラムで処方されることが多いです。市販薬では、アセトアミノフェンよりもエヌセイドのほうがしっかり効果が出ると、エヌセイドを好む方もいるのですが、アセトアミノフェンのメリットにもぜひ注目してみてください。